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慶弔休暇っていったい・・・?

Q

慶弔休暇っていったい・・・?

会社には有給休暇のほかに慶弔休暇があります。就業規則には二親等以内の死亡や実子の結婚の時に使うことができるとなっています。
先日、実父が亡くなり慶弔休暇を取ろうとしたら、給料が出ないことがわかり有給休暇を請求したところ、会社は慶弔時には慶弔休暇を優先するとして取らせてくれなかったのです。
慶弔休暇って法律で決められた休みなのですか? 給料は払ってもらえないのですか? 有給休暇より先に取らなければいけないのですか?

A

法的ポイント

1.休日・休暇を法律で定めているのは、次のものです。
  1. 労基法35条(休日)「使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない。」
  2. 労基法39条(年次有給休暇)「使用者は、その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し前労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。」(2項以降略)
  3. 休日・休暇ではないが、就労を免除する規定
    (1)産前産後休暇、(2)請求に基く育児時間、(3)請求に基く生理休暇、(4)請求に基く看護休暇
2.労働時間と休日の関係。
労基法による労働時間の制限は、週に1回の休日(法定休日)と、週40時間、1日8時間(それ以上は時間外労働で過半数代表者との協定が必要)だけなのです。
なぜ、週休2日ではないのかとの疑問が生じると思うが、例えば、月曜日⇒金曜日を7時間労働、土曜日を5時間労働、日曜日を休日としても、何ら問題はありません。法律で定められた「祝日」であっても「休日」にする必要もありません。
3.会社が決めることができる休暇(法定外休暇)
慶弔休暇・結婚休暇・妻の出産休暇・病気休暇・年末年始休暇・夏季休暇・リフレッシュ休暇等々は、法律による休日・休暇ではなく、付与される日数や対象となる範囲を含めて使用者が就業規則で定め、あるいは職場慣行として存在しているものです。病気が長期に渡ったとき「休職」となることがありますが、これも使用者が定めている休業の制度です。
したがって、使用者がこれらの休暇を設定する義務はまったくありません。労働者の要求や労働組合の交渉によって徐々に作られてきたものです。就労を免除する規定も、労働者の要求と交渉の結果多くの企業で制度ができ、社会的にも必要性が認められた結果、法律で規定されるようになったのです。
4.休日・休暇と賃金。
休日・休暇で賃金の支払いが義務付けられているのは、年次有給休暇のみです。
法定休日も賃金支払義務はありません。賃金の契約が月給制(日給制・月払いではない)の場合でも法定休日は就労を免除されている日であり、賃金が支払われている日ではありません。使用者が設定した休暇を賃金支払対象とするか否かは、使用者が決定する権限を持っています。
労働組合がある企業でも、有給の休暇と無給の休暇が存在している場合が多いのが実態です。例えば、病気休暇の制度があっても、(1)無給、(2)健康保険傷病手当金の待機期間3日以内は有給、(3)7日以内は有給、など企業によって扱いが異なっています。
「月給制」契約の場合は、様々な休暇が有給となることが一般的です。「月給制」とは、月単位で賃金契約が成り立っている場合であり、「月給」と一般的に言われるものは、「日給」を月にまとめて支払っているものであり、「月給制」とはいいません。
労働契約で、「休日・休暇は、土・日・祝祭日、年末年始休暇、その他会社が定める特別休暇」となっていれば、5月の祝日が多い時、2月の日数が少ない時、平日日数が多い時も賃金額は変わらず、毎月同額支払が保障されます。この場合、「時間当り賃金=月額×12月÷年間労働時間数」で算出されます。
5.会社の制度が年次有給休暇よりも優先適用されるのか。
年次有給休暇請求権の法的性質が争いになった、最高裁判例(S43.3.2第二小法廷判決)「白石営林署事件」が、判例法理的な位置を占めています。
この判決では、労働者の年休請求は、取得時季を指定したものであり、使用者が時季変更権を行使しなければ、請求した時点で成立すること、年休の利用目的は、労働者の自由利用権であり、使用者の勧奨を許さないものであることが表明されました。したがって、使用者が年休請求を「承認する・しない」という権利はなく、理由を聞く権限もありません。
使用者に与えられた権利は、「時季変更権」を行使するか、否かのみです。
時季変更権に関しては、S62.7.10最高裁第2小法廷判決・弘前電報電話局事件で使用者の配慮にかかわる判決が出ています。
使用者の時季変更権行使の適法性は、企業規模や事業内容、担当業務の内容や性質、業務の繁閑、代行者配置の難易、同時季請求者数など諸般の事情を考慮して、合理的に決定することが求められるとする従前の判決に加えて、(請求者が休んでもまったく支障が無いということはありえないことであり)使用者は、年休請求に対して取得を可能とするための「状況に応じた通常の配慮」が求められるとしています。
多くの判決から言えることは、従業員の配置が常にぎりぎりの状態で常に「事業の正常な運営を妨げる」ような状態にしたままで、時季変更権を行使することは認められない、事業全体に影響する時、余人をもって変えがたい場合など、かなり限定された事情にあることが求められていると言えます。
簡単に業務に支障があるとする使用者が多いですが、裁判での争いになった場合の多くは「時季変更権の濫用」と判断されると考えても良いと思います。

上記に記載した有給休暇の原則は、労働時間:年次有給休暇「うちの会社は有給なし?」にもありますのであわせて確認してください。

アドバイス

以上のことを踏まえたアドバイスとして、慶弔休暇を正式申請しないで、年次有給休暇の請求した際に会社側が「無給の慶弔休暇なら認める」と言うのですから、時季変更権を行使する考えはないことは明らかです。ですから「年次有給休暇取得請求=時季の指定」の時点で年次有給休暇取得が成立したと言えます。もちろん有給ですから賃金も請求できます。
会社の就業規則にある休暇制度の使用を請求するか、しないかは労働者が持っている選択権であって、会社の制度を優先的に使用することを強制することは違法です。
慶弔休暇を申請して承認された後に、申請を撤回し、その撤回を使用者が認めない、年次有給休暇請求をした場合、年次有給休暇請求が成立していたと断定できるかは、裁判判決事例を見たことがないのでわかりません。

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