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試用期間中は解雇自由

Q

試用期間中は解雇自由

試用期間の2ヵ月はアルバイトと言う約束で入社した。1ヶ月ほど経ったときに仕事を覚えるのが遅いとのことで、即日解雇を言い渡された。試用期間中はいつでも解雇できるのか。

A

法的ポイント

試用期間については判例の中で、就業規則においてその規定が定められた上で、雇用契約の解雇権を留保した雇用契約(解約留保権付雇用契約)としています。
つまり採用決定時に労働者の資質や性格・能力などの適格性が充分に収集できないために、試用期間中の調査や観察に基づいて、場合によっては解約権を行使することを留保した上で締結された雇用契約ということです。
留保された解約権は、通常の解雇よりも広い範囲において解雇の自由が認められてしかるべきものとされています。
しかしながら、留保された解約権の行使も、解約権留保の趣旨・目的に照らして、客観的に合理的な理由が存在し、社会通念上相当として認められた場合にのみ許されます。この点において判例で具体的に示されたものは、採用決定後の調査や試用期間中の勤務状況によって、当然知ることができない事実を知るにいたった場合において、そのような事実に照らしその労働者を引き続き雇用することが適当でないと判断された場合としています。

また試用期間中において、その期間について期間の定めのある雇用契約とする場合があるが、その場合は、その期間満了により雇用契約が当然に終了する旨の明確な合意が成立するなど特段の事情が認められない限り、試用期間たる雇用契約期間は期間の定めのない労働契約下における試用期間と解すべきとする判例もあります。

なお試用期間の長さについて一般的には1~6カ月にわたるものが多く、この期間については法的な制限はないが、合理的理由(必要性)無くあまりにも長期に試用期間に留めておく場合は公序良俗違反となる事が考えられます。

試用期間に関する代表的な判例
東京コンクリート事件(東京地決昭32.9.21)
三菱樹脂事件(最大判昭48.12.12)
神戸弘陵学園事件(最三小判平2.6.5)
試用期間における解雇予告の例外
労働基準法第21条(解雇の予告)
解雇予告の規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。ただし、~中略~または第4号に該当する者が14日を超えて引き続き使用されるに至った場合においては、この限りではない。
  1. 日々に雇い入れられる者
  2. 2か月以内の期間を定めて使用される者
  3. 季節的業務に4カ月以内の期間を定めて使用される者
  4. 試みの試用期間中の者

アドバイス

試用期間中の解雇については、通常の解雇よりは広範な理由において、その行使を認めることがあるが、あくまでもその理由が採用決定時に知りうることができず、客観的に合理的であることや社会通念上の相当性が求められます。
試用期間だからといって、いつでも・どんな理由でも解雇が認められるわけではないことを念頭に、使用者にその点を確認することが肝要です。
またこのケースの場合、14日を超えて使用しているので解雇予告の例外に該当せず、即日解雇するのであれば、解雇予告手当の支払いを求めることができます。

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